サファリビジネスの裏側

​タンザニアのサファリツアーの裏には、多くの観光客が知らない現実があります。

 

サファリ業界で働くドライバー・ガイドやコックの多くは、日給900~1500円、もしくはそれ以下の賃金で働いています。

ツアー会社や雇用形態によっては、毎月1万円~の給与が支払われることもありますが、ツアーに参加する観光客は、何万~何十万円も払ってツアーに参加しているので、このような低賃金で雇われているとは露にも思わない方が多いのではないかと思います。



タンザニアは、確かに食料品の物価は安い国ですが、工業製品のほとんどを輸入に頼っているため、家族を安定して養い、自分自身にも投資をして技術を磨いていくには、現状の賃金と労働条件はとても十分とは言えません。

 

現地のツアー会社は、ツアー価格を抑え価格競争力を高めるため、また先進国の旅行代理店の要求に応えるため、人件費を削ります。そして、顧客に「チップ」という任意的な支払いを求めます。



しかし、この現状を知らず、多くの費用をすでに支払っている観光客は、現地労働者にとってチップがどれだけ重要であるかピンと来ないので、チップが十分に支払われることは少ないのです。



これはキリマンジャロ登山のポーターにも同じく言えます。ポーターは、ツアー会社から十分な防寒用装備や靴が支給されず、顧客が最新の装備に身をくるみ、暖かい食事を取るそばで、ポーターには極寒の中でも暖かい飲み物が用意されることなく、1日1~2食で約1週間の登山をなんとかしのぐことを余儀なくされることが珍しくありません。

 

チーム全体の荷物を減らし、必要なポーター数を減らすことで、人件費を抑え、ツアー価格を下げるために、ツアー会社がとる戦略です。

 

しかし、このようなアンフェアな労働条件について、ポーターが顧客に口外することはありません。ツアー会社から口止めされているからです。もし口外したことが発覚すれば、そのポーターは次回から雇われなくなります。

ガイド、コック、ポーターは、緊急時でも冷静に対応できるだけの知識と経験を有する必要のある専門的な仕事です。体力も使います。接客のサービスも心得ていなければなりません。

観光客が現地で過ごす大半の時間を彼らがエスコートしているにもかかわらず、旅行代金のほとんどは、彼らのもとに残りません。

このようなアンフェアな労働環境に慣れてしまった現地の人々は、「がんばっても意味がない」という短絡的な思考に流れてしまい、自分自身に投資をして、能力を開発したいとか、顧客に対するサービスを向上させたいといった建設的な考えを抱くことさえ難しくなってしまいます。

タンザニアを訪れる​外国人観光客が、しばしば、「タンザニア人のサービスがよくない」と言って怒りをあらわにするのは、このあたりの背景があるのではないかと思います。



タンザニア人に初めから向上心がないのではありません。向上心さえ摘み取ってしまう搾取の仕組みが原因なのだと私たちは考えます。

植民地時代と同じようなことを繰り返して利益を得ても、人間としての進歩がない。そう考え、私たちは、常にサービスを向上していく土壌を作り、現地の人々が自立して進歩できるような料金体制を導入しています。

当社はチップ制度を採用せず、

安定した生活と自己開発に必要な

正当な賃金を保証しています。

そうすることで、より価値の高いサービスをお届けし、気持ちよく休暇を過ごしていただけると信じています。